投資ブームが起きている日本で、とりわけ若い世代を中心に人気を集めている投資のひとつがFXです。レバレッジという仕組みを利用することで、少ない資金でも大きな取引ができるという特徴があるFXですが、その反面、「ハイリターン・ハイリスク」と言われるように投資ビギナー向きではない投資法という声もあります。
とはいえ、どんな投資を行うにせよ、まずはしっかり基本的知識を学んでから挑戦することが大切です。ここでは、「FXとは?」といった基本のキとなる情報から、HFMに代表される海外FX業者を利用する際のメリットや注意点についても説明していきたいと思います。
FXの基本的な仕組み
FXは「Foreign Exchange」の略で、日本語では「外国為替証拠金取引」と呼ばれています。「外国為替」は異なる国の通貨を交換することで、「証拠金取引」とは預けた保証金(証拠金)を担保にして取引ができる仕組みのことです。つまり、「外国の通貨を、少ないお金(証拠金)で大きく取引する仕組み」になります。
主に通貨ペアで取引され、例えば「米ドルと日本円(USD/JP)」や「ユーロと米ドル(EUR/USD)」のように、1つの通貨を買うと同時に、もう1つの通貨を売るという形で行われます。FX取引でよく取引される通貨ペアは、「メジャー通貨ペア」と呼ばれ、世界的に流動性が高く、取引量も多くなっています。
そして、この為替レートは常に変動しています。これを利用して安く買って高く売る、またはその逆を狙うことで出てくる差額を利益とするのがFXなのです。
FXの特性
FXは、株式やその他の金融市場と比べても非常にユニークな特徴を持っています。その最たるものが、「てこの原理」を意味するレバレッジと呼ばれる仕組みです。
少ない力で大きなものを動かせる「てこ」のように、FX取引ではこのレバレッジを利用することで、少ない資本でも大きな取引を行うことができます。レバレッジ率はFX業者によって異なり、国内のFX業者を利用した場合は金融庁のルールによって25倍までと定められています。
しかし、海外FX業者を利用した場合はさらに高い倍率のレバレッジを提供しているところもあり、例えば100倍のレバレッジを使った場合、1万円で100万円分の取引ができるようになっています。しかし、その分、リスクも大きくなるため、慎重に使う必要があります。
また、FXではスワップポイント(利息収入)というものもあります。通貨にはそれぞれ金利があり、高金利通貨を保有するとスワップポイント(利息)を受け取れる可能性があるのです。この金利差を利用することで、為替差益以外にも利益を狙えるわけですが、ただし、逆に金利の低い通貨を買って高金利通貨を売ると、スワップを「支払う」ことになるため注意が必要です。
また、他にも世界で最も取引量が多い市場であるため、価格の変動が非常に小さくてもすぐに取引を実行することができるという特徴があります。さらに FX市場は、月曜日から金曜日まで、東京、ロンドン、ニューヨークなど、異なる時間帯で取引されているので、24時間、市場が常に動いている状態になります。
リスク管理を徹底する
少額からはじめられるものの、レバレッジを利用するFXは高いリスクを伴う取引でもあります。そのため、適切なリスク管理が非常に重要です。FXにおけるリスク管理のためのツールやテクニックとして、以下のような方法があります。
ストップロス(損切り)
自分が設定した価格に達した時点で、自動的にポジションを決済する指示を出すことです。これにより、大きな損失を防ぐことができます。
ポジションサイズの管理
:自分の取引資金に対して適切なポジションサイズを選び、過剰なリスクを取らないようにします。
レバレッジの管理
レバレッジを高く設定しすぎると、少ない値動きでも大きな損失を招く可能性があります。適切なレバレッジを使用することが大切です。
初めてFX取引を行う際の注意点
投資初心者にとって、FX取引を行う際に気をつけておいた方が良いことはいろいろありますが、まずなんといっても最初に覚えておきたいのが少額の取引からはじめるということです。少額の資金からはじめて、FXの動きや取引手法に慣れていくことが重要です。
また、最近は多くのFX業者がデモ口座を提供しており、取引状況は本番と同じでありながら、リアルマネーを使わずに仮想のお金で練習することができるようになっています。こうしたデモ口座を利用して、練習を重ねて学んでいくことで、実際の投資活動の際にも感情に惑わされることなく自信をもって取引することができるでしょう。
また、リスク管理の一環として、取引をはじめる前に、あらかじめ自分の目標やリスク許容度を明確にしておき、計画的に取引を進めましょう。
FX市場は常に変化しています。それだけに、取引戦略や市場動向についても常に学び続けることが必要となってきます。取引を行いながらも、新しいテクニカル指標や市場情報に敏感でいましょう。
また、投資初心者にとって盲点となりがちなのが、日本における規制や税金などの手続きです。日本国内では、FX取引による利益は税金の対象となります。FXの利益は「雑所得」として扱われ、確定申告が必要です。その分、損失が出た場合でも、他の所得と相殺することができるため、税務上の取り扱いに関しては確認しておくことが重要です。基本的に税率は累進課税となっており、年間の利益が20万円を超える場合は確定申告が必要になります。
FXのトレンドと未来
近年、AIや機械学習を活用した高度な取引技術が進化しており、個人投資家でも利用できるツールが増えています。AI技術を利用した取引アルゴリズムが、トレーダーの意思決定を支援する時代が来ているのです。また、ブロックチェーン技術を利用した新しい金融商品(例えば、暗号通貨と法定通貨のペア取引)が登場するなど、FX市場はダイナミックにさらなる進化を続けていくだろうと言われています。
こうしたテクノロジー技術の発展は、より簡単かつ効率的な取引を提案し、初心者でも参加しやすい環境を作り出してくれますが、しかし、繰り返しますがFXはリスクも高い投資手段です。しっかりとした情報と知識から学び、長期的な視点で安定的な運用を目指すことが成功のカギとなるでしょう。